この世界の続き↓
暗黙の死刑宣告。
増えすぎた女性の人口を減らすため、政府が極秘裏に進める人口調整計画。
表沙汰にはならないが、確かに“処理”は行われている。
某私設専門学校では、何の前触れもなく突然「腹部の容量測定」が始まった。
プールの準備をしていた受講生は拘束され、口に管を差し込まれる。
拒絶しても意味はない。
バルブが開くと胃袋に達した管がプールの水を際限なく流し込む。
徐々に強まる圧迫感。
喉奥から込み上げる強い吐き気。
数秒で胃が膨れ上がり、鋭く刺すような苦痛が全身を支配する。
限界を超え、引き裂かれるような激痛に響き渡る悲鳴。
解放される唯一の方法は最期の瞬間を迎えることだけ。
モノ言わぬ受講生は、行方不明者として処理され、公式記録から抹消される。
「ふっ…うぐぐぅっ!!」
苦しい。
喉奥まで入ったホースのせいでうまく息ができない。
抜きたくても両手が縛られていてダメ。
吐き出そうと身体を動かすとむしろ余計に苦しくなる。
「うぅ…うぅぅっ……」
彩乃(あやの)が目の前でうめいている。
両目をぎゅっと閉じて、肩を小さく震わせていた。
涙がぽたぽた落ちる。
「大丈夫。君たちはまだ先だから。」

シャアアァァァァ!!!
勢いよく水が流れ込む音。
「ーーーっ!!ーーーっ!!」
目の前で花音(かのん)が声にならない悲鳴をあげた。
涙と涎を垂らし全身を震わせ必死にプールの水を飲み込んでいる。

身体をくねらせて暴れる花音。
ドクンッ…ドクンッ…
お腹が脈打つみたいにゆっくりと大きくなっていく。
艶々したお腹はパンパンに張っていてちょっとでも押したら弾けそう。
なんで、なんでこんな酷いことするの…!?
「っ!?」
花音の身体がビクッと痙攣する。
お腹からきしむ音がして表面がグニュグニュと動いた。
細かくひび割れみたいな線。
妹が生まれるときにお母さんのお腹にあったのと同じものだ。
何が…起きてるの…?
ブバァッ!!!
「ぐごぉっ!!!」

悲鳴を挙げ身体を大きく跳ね上げる花音。
お、お腹……え…?
私は見た。
目の前で起きたことを全て。
花音はグシャッと倒れ、目がうつろになっていく。
やだ……やだやだやだっ……こんなの……っ!!
──次は私。
身体が冷たくなり心臓がギュッと縮こまる。
目を閉じても花音の最期の顔がまぶたの裏に焼きついて離れない。
嘘だ。
こんなの絶対に嘘。
お願い…夢から覚めて。
私、もう悪いことしない。絶対いい子にするから……
何度も、何度も、心の中で叫んだ。
