前の話↓
<ルール>
参加者は20m間隔のラインを往復し音に合わせて走る。
音が鳴ったら即座に走り出し次の音までに反対側へ到達すること。
音の間隔は徐々に短くなりペースは上昇する。
100回到達するまで競技は終了しない。
音までに到達できなかった者は失格とする。
失格と判定されると体内の小型ボンベが自動的に作動する。
「い゛や゛ぁ゛あ゛あ゛っ゛!!」
パァン!!!

絶叫とともにピンク髪の女性の身体が跳ね上がり、鮮血と肉片が床一面へ飛び散る。
観客席から歓声と拍手。
「今の見た!?腹ごと吹き飛んだぞ!」
「え、やばっ、めっちゃグロいじゃん!うける~!」
「最後まで情けない奴だったなぁ!」
血で出来た花弁。
。その中心、お腹からこぼれ出した臓物を両手で必死に抑えるピンク髪の少女。
「あ゛…う゛……」
その震えも徐々に小さくなり完全に止まった。
しかし会場内はさらにヒートアップする。
吐瀉物と排泄物が入り混じったむせ返るような悪臭が漂う。
床には血飛沫と肉片が散乱し、その中心でピンク髪の少女は微動だにしない。
その様子を目の当たりにして、恐怖で震える若い女性の姿。
「はぁ、はぁ、はぁ、い゛、い゛や゛…っ゛!」

痛みと恐怖で全身がこわばり、限界まで膨らんだお腹を両腕で押さえ込む。
皮膚の内側からミヂミヂッと異様な音が響き渡り、一瞬、激しい痙攣で体ごと反り返る
「ほら見ろよwwこいつも終わりだww」
「うわww何そのブタ腹wwマジで笑えるんだけどwww」
「押さえてもムダムダ~!このデブ、次どうやってバラけるのか楽しみすぎてヤバいんだけどww」
助けなど望めるはずもなく、会場中には下品な嘲笑と期待だけが充満する。
ボンッ!!!
「ぎ゛ぃ゛っ゛!!!!」

轟音とともに体は四散し、鮮やかな血潮と臓物が空中へ広がった。
観客席から拍手と歓声。
「うげぇwwwすっごい臭いwww」
「余計な脂肪落ちて痩せちゃったねwwでも顔は残念なまま~ww」
赤黒く染まった床。
その上で転がる臓物はかすかに痙攣しながらもしぶとく生命の名残を見せていた。
「え、まだピクピクしてんじゃんw しつこっ!」
「これ絶対バズるやつじゃん!みんなに見せよ~っと!」
止まない嘲笑の中、やがてその小さな痙攣すら消えていく。
チョロチョロ…
「う゛う゛ぅ゛……」

極限まで膨れたお腹を抱え、女性②は恐怖に震えながら足元に広がる黄色い水たまりを見つめていた。
堪えきれず流れる涙と失禁。
その惨めな姿に観客席から嘲笑が飛ぶ。
「うわwwビビりすぎて漏らしてるぞwww」
「情けないなぁwwマジで終わってるwww」
ボンッ!!!
「あ゛か゛ぁ゛っ゛!!」

短い絶叫とともに腹部は一瞬で弾け飛びぶ。
血液や臓物、それに未消化の食べ物までが盛大に床を汚す。
会場には新たな赤黒い水溜まり。
そして嗅ぎ慣れた悪臭。
「くっせぇww何食ったらこんなん出んだよww」
「今の録れてる?最高だろこれ!」
無惨な光景もまた、人々にはただの娯楽として消費されていく。
【ド…レ…ミ…ファ…ソ…ラ…シ…ド…】
「なんでっ!?やだ、いやぁぁっ!!」
最期の一人が、床に転がる肉塊に足を取られて派手に転倒した。
ボンッ!!!
鈍い音を響かせ、生ぬるい血飛沫と肉片が四方八方へ弾け飛ぶ。
これで競技は終了。
目の前に広がるのは、むき出しの乳房と秘部をさらした“かつて女性だったもの”の残骸。
破裂した乳房からだらしなく垂れ落ちる脂肪と乳腺。
膨張したままの腹から破裂した胃や腸が飛び出し、未消化の食べ物や糞尿とぐちゃぐちゃに混ざり合う。
家畜ですら吐き捨てる、悪臭漂う屑肉そのものだった。
【ド…レ…ミ…ファ…ソ…ラ…シ…ド…】
【ド…シ…ラ…ソ…ファ…ミ…レ…ド……きゅうじゅうよん】
広いアリーナに響く機械音声に混ざる呻き声。
「っ……あ゛…ぅ゛……」
長引く苦痛から逃れようと、腹の臓物を引きずりながら床を這いずり回る残骸たち。
「ごが…あ゛…っ゛……」
引き裂けた腹部を両手で抱え、自ら吐き出した血に溺れる者もいる。
「ぎっ゛い゛ぎぎ…っ゛……」
中には他人の腹から飛び出た腸管を手繰り寄せ、苦悶の声を上げながら自分の腹へ必死に押し戻している者までいた。
どれも“生きている”とは呼べない動きばかりだ。
【本日の最高記録は93回です。またのご来場をおまちしております。】
「うわー、マジでグチャグチャwwこれぞ娯楽だなwww」
「この後、掃除する人かわいそ~wwでもめちゃ映える動画になった~♡」
その惨状を眺めながら、満足した観客たちは拍手や歓声を上げる。
そして何事もなかったかのように、それぞれ席を立って会場を後にしていった。