奴隷タンク(第4章)
<酒場用ビールタンク(以下、ビールガール)>
〇奴隷タンク自身が客の注文を聞き、体内で熟成させたビールを提供する。
(超短距離転送魔法によって体内から直接ジョッキに注ぐことが可能)
〇接客もビールガールの仕事で、明るく愛想よく振る舞うよう求められる。
〇体内のビールは体温で炭酸ガスが気化するので時間と共にお腹の圧力が高まっていく。
(限界を迎えないように、ビールをこまめに売り続けなければならない)
<ビール>
〇女性の体内で熟成させる特別なビール。
〇若い女性ほど人気が高い。
〇奴隷タンクの体質によって、味や香りが大きく異なる。
<破裂場>
〇お腹の限界を迎えたビールタンクが最期を迎えるための小部屋
(後処理を楽にするために設置されている)
〇場所や利用方法は酒場ごとに異なる。
<プロフィール①>
〇名前:リナ・グラセル(本作主人公)
〇体格:151cm/40kg/B77・W51・H79
〇最大容量:4.5リットル
〇役割:ビールガール
<第3章:ホールのお仕事>
「ひぃ…うぅ……」

冷たい金属の管がお腹の奥深くを突く。
ゴポッゴポポッ……
お尻からビールが勢いよく流れ込んでくる。
マスターの魔法のおかげで酔うことはない。
けれど、お腹がどんどん膨らんでいく。
「うっ、うぐぐっ!!」
「息むと腹が裂けるよ。最低3リットルは入れるからね。」
マスターの低い声。
「うぷっ!?」
急激な吐き気が襲ってきた。
とうとう胃袋にまでビールが逆流してきたみたい。
喉の奥がカッと熱くなって、今にも全部吐き出しそうになる。
でも、口から一滴も出てこない。
これもマスターの魔法のせいだ。
今日が初めてのメインホール。
真新しい給仕服はとても可愛いのに、喜ぶ余裕なんてなかった。
ヌプッ!!
「うひっ!?」
ホースが抜かれた。
でも、お尻からは何も出てこない。
「その魔法は死ぬか閉店まで解けないよ。さあ、早く客の相手をしな。」
そう言うと、マスターは別のビールガールの元へ。
廊下の向こうから、お客さんの笑い声が聞こえる。
グラスがぶつかり合う音も。
私は重たいお腹を抱えながら、メインホールのカーテンをそっとめくった。
その瞬間・・・

「きゃあ!!」
ビールガールが一人、こっちに走り込んでくる。
ドンッ!!
避ける間もなく正面衝突。
私たちは派手に尻もちをついた。
ゴブッ!!ゴボボボッ!!
「ひぅっ!?」

突然、すごい圧力でお腹がググッと持ち上がった。
泡立つような音を響かせ、お腹の中身が一気に膨張していく。
転んだ衝撃で炭酸が一気に気化したんだ。
ふと、昔の光景が頭をよぎる。
ご主人様のお供で行った近所の酒場。
店主がビールの入った革袋を落としたその瞬間。
パンッ!!
革袋はパンパンに膨らんで勢いよく中身が飛び散った。
「はは、安物はすぐ壊れる。」
ご主人様の言葉に、苦笑いを浮かべる店主。
私も面白くなってご主人様の隣で一緒に笑っていた。
今度は私が…あの革袋みたいに…?
ゴブッ!!ゴボボボッ!!
「ひうぅっ!?」
震える両手で必死にお腹を抱え込んだ。
ゴボッ!!!ゴボボボボッ!!!
「ごぼっ、うがあぁ!!だ、だめっ……け゛え゛え゛っ゛!!」

ぶつかった相手のビールガールの叫び声。
彼女のお腹が、目に見える速度で膨らんでいく。
まるで、あの時の店主の落とした革袋みたい。
でも今度は革袋じゃない。
生きてる女の子が、助けを求める目で私を見つめてる。
私は慌てて彼女に駆け寄った。
「やだ…やだっ…わ、私…ま、まだ…うぐぅ!!」
立とうともがくけど、カチカチに張ったお腹が邪魔をする。
閉店まで何時間もある。
この状態じゃもう接客は無理だ。
彼女だって分かってるはず、酒場のルールは・・・
可哀そうだけど、早く破裂場に連れて行かないと。
”破裂場”
ビールガールが最期を迎える場所。
限界が来たら、自分の足で向かう決まり。
私は彼女の肩を支え、なんとか立ち上がらせた。
ミヂッ…ミヂッ…ミヂッミヂッ……
革袋が裂ける直前の不吉な軋み音。
それが彼女のお腹から響く。
一歩、前へ。
「やだ、いぎだぐない…ぐるじぃ…怖ぃ……」
涙で顔はぐしゃぐしゃ。
ビールガールとして働いてるけど、本当はただの女の子。
彼女の足は小刻みに震えて、まるで小さな子供みたいに私にしがみついている。
私は、何度も大丈夫と励ましながらゆっくりと歩き続けた。
嘘だ。
何も大丈夫じゃない。
でも他に言える言葉が見つからない。
もう破裂場は目の前。
あと少し、あと少しだけ頑張って。
ブチッ!!
「い゛や゛ぁ゛っ゛!!」
彼女のお腹から濡れた布を裂くような音が響く。
給仕服にじわっと赤いシミが浮かび上がる。
あっ、待って!!ここじゃーーー
ボンッ!!!
「ぐぶっ!!!」

重たい破裂音が響く。
制服の布地を抜けた赤い液体が霧のように飛び散った。
鼻を刺す鉄臭さとビールの甘苦い香りが一気に押し寄せる。
ビチャビチャビチャ!!!
スカートの裾から泡立つ赤黒い液体と肉片が流れ落ちていく。
私は崩れ落ちる彼女を抱き留め、そっと床に寝かせた。
ゆっくりと萎むお腹。
少しでも早く出してあげようと手を当て軽く押し込んだ。
「ごぷっごぼぉっ!!!」
口から大量の赤黒いビールを噴き出した。
魔法が解除されたんだ。
「かひゅっ…ひゅっ…ひゅっ…」
私の腕にしがみついていた手が、ゆっくりと力を失っていく。
温かかった指先が、石みたいに冷たくなる。
「………………」
これが私たちの運命。
次は私かもしれない。
でも今は、ただ彼女の最期を見届けることしかできなかった。
せめて一人じゃないって、そう思ってもらえたらいいけど。
